屋内から屋外まで、さまざまなところの汚れをキレイにできる高圧洗浄機。大掃除や引っ越しを機に、購入を考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、高圧洗浄機とは何かを振り返りながら、使用するメリット・デメリット、高圧洗浄機の種類や活用例を解説していきます。
高圧洗浄機とは
高圧洗浄機とは、圧力をかけて勢いよく水を吹き付けることで汚れを落とす機械のことです。
ブラシやスポンジを使っただけでは落としきれないこびりついた汚れをキレイに落とせるほか、水の力だけで汚れを落とすため、洗剤を使えない場所などの掃除にも活躍します。
コケや黒ずみなど、普段の掃除では落としきれない汚れを落とすのに最適。
ホースが届く範囲であれば、外壁や窓、家屋のコンクリート部分などさまざまな場所で使えます。
ケーブルで電源を取るタイプが一般的で、本体には給水ホース、高圧ホースがつながっています。本体の先にはノズルとトリガータイプのガンがついており、トリガーを引くと水がでる仕組みです。
高圧洗浄機のメリット
凹凸があり、表面だけをこするのでは落とせない入り込んだ汚れも落とすことができます。ホースやノズルで距離をとれるため、屋根や天井など、手の届かない場所も足場を設置せず洗浄可能です。
また、ノズルを調整すれば水を霧状にも吹き付けられるため、通常のホースで洗い流すのに比べて節水につながります。溜めた水を使用できるタイプの高圧洗浄機なら、近くに水道がない場合でも使用できるでしょう。
さらに、洗剤を使わずに汚れを落とすため、環境やお財布にやさしいのもメリットです。アタッチメントを付け替えればさまざまな場所で使用できます。
高圧洗浄機のデメリット
高圧洗浄機は電動のため、電気や動力がない場所では使用できません。また、稼働時の音が大きく、マンションやアパートなどで使用する際には周囲への配慮が必要です。
最近では家庭向けの静音タイプの高圧洗浄機も登場していますが、少なからず音は発生します。一軒家であっても夜間や長時間の使用は避けるなど、ご近所に配慮して使用してください。
また、高圧洗浄機のメーカーや機能によっては本体が大きく、重い場合があります。
女性の力では持ち運びしにくく、使用しにくい点も留意しておくべきです。
高圧洗浄機の種類
ひと口に高圧洗浄機と言っても、用途やシーンによってさまざまな種類があります。
ここでは、高圧洗浄機の種類とそれぞれの特徴についてまとめました。
冷水高圧洗浄機
高圧ポンプで加圧した水の衝撃力だけで汚れをはがれ落とすタイプの高圧洗浄機です。一般的に普及している家庭用の高圧洗浄機は、この冷水高圧洗浄機が最も出回っています。
凹凸のある場所のこびりついた汚れや普段の掃除では手の届かない場所を洗い流すのに最適です。ただし、水だけの洗浄になるため、油汚れはなかなか落とすことができません。
温水高圧洗浄機
冷水高圧洗浄機よりも洗浄力が高いのが温水高圧洗浄機です。お湯を噴射できるため、水だけでは落ちにくい油汚れを強力に落とせます。温水洗浄は、水で洗浄するよりも早く乾くのが特徴的。湿気が多く、カビやすい場所の清掃にも向いています。
また、水よりも高温なので除菌効果に優れています。キッチンやトイレ、お風呂など、菌が気になる場所の清掃に活躍するでしょう。
エンジン式高圧洗浄機
ガソリンやディーゼルなどの燃料を動力とし、電気のない場所でも稼働できるのがエンジン式の高圧洗浄機です。電源の取れない山や海、船の上、建築現場などの作業で活躍します。
人手を要さず効率的な洗浄作業が行えるため、現場の作業時間を短縮したい、作業する人の負担を軽減したい際などに利用されています。
高圧洗浄機が活躍するお掃除スポット
高圧洗浄機は、電源や動力・水があり、ホースが届く範囲であればさまざまな場所で活躍します。
ここからは、高圧洗浄機がとくに活躍するスポットと清掃のコツをご紹介していきましょう。
窓・網戸
屋外側の窓や網戸の清掃には高圧洗浄機が最適です。雑巾などで掃除するよりも効率的に汚れやホコリを落とすことができる上、屋外なのでそのまま汚れを洗い流せます。気にならなければ拭き取り作業も不要なので、清掃時間の短縮にもつながるでしょう。
窓や網戸を清掃する際のポイントは、上から下に向かって水をあてていくこと。上からの汚れが下に流れ落ち、より効率的に汚れを落とせます。
玄関前
一見キレイに見えていても、雨にさらされやすい玄関前はホコリや汚れが付きやすい場所です。
とくにタイル貼りの玄関の場合、タイルのすき間に汚れが入り込みやすいので水圧によって落としていきましょう。
格子戸やデザインガラスなど、清掃に手間がかかる玄関の扉部分もスッキリ。上から下に格子をなぞるように当てていけば、短時間で汚れをきれいに落とせます。
外壁
汚れが目立つと、家の外観をも損ねてしまうのが外壁です。高圧洗浄機で定期的に洗い流して外観を保つようにしましょう。また、ブロック塀などはカビや苔がつきやすく、ブロックの凹凸の汚れはブラシやホースを使ってもなかなか落とすことができません。
高圧洗浄機のノズルを細めに調整して水圧を上げれば、苔やカビなどの頑固な汚れも水の力だけで落とすことが可能です。
ベランダ
ベランダも高圧洗浄機での清掃に最適な場所です。カビや苔などの汚れがつきやすいほか、海沿いの部屋の場合は潮風による塩害なども起こりやすくなります。塩分が含まれたホコリや汚れを洗い落としましょう。
ベランダ側の窓のサッシの下側など、ブラシを使わなければなかなか落ちなかった隙間の汚れも、水の圧力で簡単に落とせます。
車
高圧洗浄機は洗車の際にも活躍します。スポンジや布を使った手洗い洗車では、擦りすぎるとボディを傷つけてしまうおそれがありますが、高圧洗浄なら水だけで汚れを落とせます。
ただし、水圧が強すぎるとボディが変形したり塗装が剥がれたりすることもあるので、水圧を加えすぎないように注意しましょう。
また、洗剤吹き付け用のアタッチメントを取り付ければ、効率よく洗剤を噴射することもできます。まずは、汚れがつきやすいタイヤなどの足回りの汚れから落として、車体の上から下に洗浄していくのが上手な洗車のポイントです。
高圧洗浄機を使う際の注意点
さまざまな場所を掃除できて便利な高圧洗浄機ですが、使う際にはいくつか注意すべきポイントがあります。気をつけないとケガやトラブルにつながるおそれもあるので、必ずチェックした上で使用するようにしてください。
清掃場所の材質
水を使う高圧洗浄機では、清掃する場所の材質に注意が必要です。古くなり劣化した場所に圧力を加えすぎると、塗装やコーティングがはがれたり清掃箇所そのものが破損してしまうおそれがあります。すぐに高圧力の水を当てるのではなく、徐々に力を加えるなど調整しながら使用しましょう。
また、鉄やステンレスなどの金属が使われた場所の清掃はサビにも注意が必要です。錆びやすい材質が使われた場所は洗浄後に乾いた布で空拭きするなど、サビを防ぐ対処をしておきましょう。
音の大きさ
高圧洗浄機は使用時にモーター音がします。最近では静音タイプの高圧洗浄機も登場していますが、それでも60~70dbの音を発します。60~70dbとは、わりと大きな声で会話する、近くでセミの鳴き声がする程度の大きさです。
夜間や長時間の使用はしない、使う際は隣人にひと声かけるなど、音への配慮が必要です。
服装
水圧を上げると水が跳ねるため、服が濡れてしまいます。かっぱを着用するか、濡れても良い服装で臨むようにしましょう。
ただし、足元には注意が必要です。高い水圧が足の甲や指に当たると、かなりの痛みを感じます。場合によってはケガにつながりますので、安全のためにも足がむき出しになるサンダルの着用は避け、雨靴などを履くようにしましょう。
高圧洗浄機を選ぶポイント
使用する場所や目的、使う人に合わせて高圧洗浄機を選びましょう。
例えば、ベランダや窓などを掃除したい程度であれば、大型の高圧洗浄機は不要です。
もちろん、大型の高圧洗浄機ほど水圧が高く、しつこい汚れも落とせる傾向にありますが、水跳ねが多く、かえって汚れてしまう場合もあります。
また、大型ほど重くて持ち運びが大変です。女性が使いたいのであれば、軽くて運びしやすい家庭用の高圧洗浄機にしましょう。
反対に、現場作業や農機具の清掃などを目的に購入したいのであれば、水圧の強い大型の高圧洗浄機を選びます。
電気のない場所であれば、エンジン式の高圧洗浄機がおすすめです。ただし、動力にガソリンやディーゼルを使用するため、排気ガスの臭いが発生します。電気がある住宅地で使用するなら、エンジン式の高圧洗浄機は避けたほうが賢明です。
【メーカー別】高圧洗浄機の特徴
ケルヒャー
高圧洗浄機のパイオニア的存在とも言えるのが、ドイツの清掃機器メーカー、ケルヒャーの製品です。家庭用の小型高圧洗浄機から業務向けの大型高圧洗浄機まで、幅広いラインナップが発売されています。
家庭向けの静音モデルもあり、持ち運びしやすいスモール設計。トリガーガンやノズル、高圧ホースなど、全てのアクセサリーを本体に収納できるようになっており、場所も取られません。洗浄剤タンクが搭載されている機種もあり、洗車目的の購入にも向いています。
ボッシュ
ケルヒャーと同じドイツ生まれのメーカー、ボッシュ。付属品が充実していて、リーズナブルに購入できることから根強い人気を誇っています。洗剤を混ぜて一緒に噴射する専用のフォームノズルもあり。きめ細かい泡立ちの洗剤を噴射でき、車体を傷つけずに洗えます。
アイリスオーヤマ
タンク式タイプの高圧洗浄機を販売している日本のメーカーです。水道が近くにない場所を洗浄したい方や節水しながら洗浄したい方は、タンク式タイプの高圧洗浄機をおすすめします。
その他、家庭用に最適なコンパクトタイプの高圧洗浄機も販売しているようです。